「わたし」のHSP診断

「わたしって、HSPなのかな?」と思ったら

HSPは、近年、本やテレビでも取り上げられるようになり、多くの人に知られてくるようになりました。

HSPとは、「Highly Sensitive Person」の略で、「とても繊細で敏感な人」という意味です。1996年にアメリカ臨床深層心理学の博士エレイン・アーロン氏によって「The Highly Sensitive Person」が出版され、広まった概念です。

HSPは病気ではありませんので、現在HSPを診断する正式な方法はありません。しかし、エレイン・アーロン氏のHSPの特性に関する実証研究の結果より、HSPに当てはまるかどうか調べることのできるセルフチェックが作られました。

あなたが

「もしかしたら、HSPなのかな?」
「自分がHSPなのか分からない」

このような状態でしたら、HSPの特徴が当てはまるかどうかをセルフチェックで調べてみましょう。

HSP セルフチェック(自己診断テスト)

感じたままに、各質問に少しでも当てはまるようでしたら「はい」、当てはまらない場合は「いいえ」でお答えください。

  1. 自分をとりまく環境の微妙な変化によく気づくほうだ
  2. 他人の機嫌に影響される
  3. 痛みにとても敏感だ
  4. 忙しい日々が続くと、ひとりきりでぼ~っとできる所にひきこもりたくなる
  5. カフェインに対して敏感だ
  6. まぶしい光、強いにおい、ざらざらした布地、サイレン音などは苦手な
  7. 豊かな想像力を持ち、空想にふけりやすい
  8. 大きな音が苦手である
  9. 芸術や音楽に心を大きく揺すぶられる
  10. 誠実で、良心的である
  11. すぐにびっくりしやすい
  12. 短時間でたくさんやることがあると混乱してしまう
  13. 誰かが居心地の悪さを感じていると、その理由を察し、心地良くしてあげようと思うことが多い
  14. 一度にたくさんのことをやるように言われると困ってしまう
  15. 失敗や忘れ物をしないよう、とても気をつけている
  16. 普段から暴力的な映画やテレビ番組は見ないようにしている
  17. 周囲でいろいろなことが起こると動揺してしまう
  18. 空腹になると、集中力がなくなったり、気分が悪くなるといった強い反応が起こる
  19. 環境や変化に動揺する
  20. 繊細な、あるいは良、質なにおい、味、音、芸術作品を好む
  21. 動揺や混乱を引き起こすような状況を極力避けて生活している
  22. 仕事をする時、競争させられたり、見られていると、緊張して普段の実力を発揮できなくなる
  23. 子どもの頃、親や教師から繊細、あるいは内気だと思われていた

23の質問のうち12個以上が「はい」に該当した場合は、HSPの気質があるとされます。
また、当てはまるものが多いほど、HSPの度合いも高いとされてます。

ただし、逆に「はい」がひとつかふたつしかなくても、その度合いが極端に強い場合は、HSPの気質があるとされます。

一部は当てはまるけど、ちょっと自分とは違うと思われたあなたへ

HSPセルフチェックから、当てはまる部分はあるけれど、もっと活動的、行動的であり、少し当てはまらないと思われる方もいらっしゃるかもしれません。

HSPは、内向的で静かな生活を好むと思われています。しかしながら、実はその内の3割が好奇心が強く、外交的なタイプであると言われています。

この外向的なHSPは、High Sensation Seeking (HSS型HSP)と呼ばれています。

HSS型HSPは、新しい経験や情報、人との関わりを求めますが、HSPの非常な敏感さを持つゆえに、疲れたり、あきやすかったり、傷つきやすいという特徴があります。

あなたが上記の傾向がありそうと思われるならば、以下のセルフチェックで、ご自分に当てはまるかどうかをセルフチェックで調べてみましょう。

HSS型HSPセルフチェック(自己診断テスト)

感じたままに各質問に 少しでも当てはまるようでしたら「はい」、当てはまらない場合は「いいえ」でお答えください。

  1. 安全なら、変わった新しい体験のできる薬を飲んでみたい
  2. 会話が退屈で、苦痛になることがある
  3. 行ったことのあるお気に入りの場所より、気にいらないかもしれないけれど、新しい場所に行きたい
  4. スキーやロッククライミングやサーフィンなど、スリルを感じるスポーツをしてみたい。
  5. ずっと家にいると息が詰まる
  6. 何もせずにただ待つのは嫌いだ
  7. 同じ映画を2回以上見ることは滅多にない
  8. 「初めての出来事」を楽しみたい
  9. 珍しいものがあれば、わざわざ確かめに行く
  10. 毎日、同じ人と一緒だと退屈する
  11. 友達に、何をしたいか予測不可能だと言われる
  12. 新しい分野を探索するのが好き
  13. 型にはまった毎日にならないようにしている
  14. 強烈な体験をさせてくれる芸術に惹かれる
  15. テンションを上げてくれる物が好き
  16. 何をするか読めない友達が好きだ
  17. 新しい変わった場所に行くのが楽しみである
  18. 旅行にお金を払うなら、知らない外国の方がいい
  19. 探検家になってみたい
  20. みんなが苦笑するような下ネタギャグや発言でも結構楽しめる

女性の場合
11個以上当てはまれば刺激探究型、7つ以下なら刺激探究型ではないといえます。8~10個ならば、一部刺激探究型のところがあるでしょう。

男性の場合
13個以上当てはまれば刺激探究型、9個以下なら刺激探究型でないといえます。10~12個ならば、一部刺激探究型のところがあるでしょう。HSPであっても、刺激探究のスコアが高くなることがあります。

出典:『ひといちばい敏感なあなたが人を愛するとき HSP気質と恋愛』エレイン・N・アーロン著 明橋大二訳 

なぜ、HSPは生きづらいの?

セルフチェックでHSP/HSS型HSPと判断され、下記に挙げられた4つの特徴全てがそろうと「HSP」であると定義されます。

1、物事を深く考える(Depth of processing)
2、過剰な刺激を受けてしまう(Overstimulation)
3、感情が動きやすく、共感しやすい(Emotional response and empathy)
4、些細なことにも敏感である(Sensitivity to subtleties)

上記に挙げられた特徴は、ささいな変化や周囲に起こる危険を察知する能力です。その敏感センサーが働くがために、ささいなできごとにも過剰に反応したり、必要以上に思い悩み、人間関係においても、多くの神経を使い、非常に疲れやすかったり、ストレスを抱えやすくなってしまいます。

また、脳には、ストレスを処理する部分である「扁桃体」という箇所があり、HSPは「扁桃体」の働きが生まれつき強いため、不安や恐怖を感じ取りやすいのです。

さらに、「扁桃体」からの信号を制御する神経伝達物質であるセロトニンが、何らかの原因で少なくないとも言われています。そのため、扁桃体から発信される恐怖や不安の信号がより過剰に高まり、不安から様々な症状等も起こってくるのです。

昨今HSPが話題になることで、今まで気づくことができなかったご自身の傾向や生きづらさの原因・理由を理解することで、ホッとされたり、自分だけじゃなかったと感じて安心された方も多いことと思います。

その反面、いくらHSP気質と理解しても、生きづらさは変わらない!と感じる方もいらっしゃるのではないでしょうか?

実は同じHSP気質であっても、生きづらさをほぼ感じることなく、人生を謳歌している人もいるのです。

では、その方々は、HSP気質を持ちながらも、どうやって人生を謳歌することができているのでしょうか?

それは、HSP気質を理解し、認めた上で、自分自身の特徴をしっかりと理解し、生かしているからです。

冒頭でもお伝えしたとおり、HSPは病気ではなく「気質」のため、治療法はありません。けれど、その特性をしっかりと理解し、うまく付き合うことで、HSP気質のまま楽に生きることもできるのです。そのために重要なことが、まず自分の特性をきちんと知る、ということ。

HSPの特性は、人それぞれ全く違います。HSP、HSS型HSPという2種類だけではなく、その人の行動や思考などのパターンから、生きづらさが生じている場合もあります。だからこそ、「なぜ、あなたが生きづらさを感じているのか」あなた自身の原因を知ることが重要です。

HSPの生きづらさが改善する「8つの傾向分析」

HSPの気質をもったままで「生きやすくなる」という「状態」を作るために、私が臨床心理の現場で取り入れている「8つの傾向分析」があります。

HSP診断が「敏感すぎる傾向があるのか」を診断するものなのに対して、「8つの傾向分析」は、よりあなた自身の性質や心理傾向や生きづらさの原因を分析していくものになります。

1、HSP気質診断(これは上記で挙げさせていただいたセルフチェックです)
2、思考パターン分析
3、認知パターン分析
4、行動パターン分析(対人関係)
5、過去の心の傷分析
6、物理的環境分析
7、身体症状分析
8、自己実現パターン分析

これら8つ分析を用いて、「なぜ生きづらさを感じてしまうのか」を細かく分析していきます。1つ1つをしっかり分析して自分を知ることで、HSP気質は変えることができませんが、気質以外に「変えられる」部分がとても多いことに気づくことができます。

人の人生を作るものを分析すれば、「気質」というのはほんの一部分であることが分かります。気質に悩むよりも、その一部分は受け入れた上で、その他の変えられる部分に正しく取り組む方がよほど人生への影響力は大きいのです。

もしあなたが、本気で自分の未来を変えたいと思っているのであれば、まずは自分のことをきちんと理解しましょう。

その上で、変えられるところ、変えられないところを理解し、受け入れることで、〈生きやすい〉あなたに生まれ変わりませんか?あなたにじっくりワークに取り組んでいただきたいので、8つの傾向分析は私の無料メールレッスンでお届けしています。是非、ご覧くださいね。

※参考文献:『敏感すぎる私の活かし方』エレイン・N/アーロン